知っておくべき福祉用具のこと

介護サービスの利用者の多くが高齢者であり、その中には肢体不自由者も少なくありません。そして介護現場でそのような利用者を介助する際には、様々な福祉用具が必要不可欠になります。
福祉用具のプロフェッショナルである福祉用具専門相談員もいますが、介護士自身もある程度福祉用具について知っておくべきでしょう。
ちなみに福祉用具専門相談員の詳細はこちらです→http://xn--p8judc1l586o3je8oor52cnodlph8va961nse3a.com

福祉用具として代表的なものとして、例えば杖が挙げられます。ただ一口に杖といっても、そのタイプは多種多様です。
まず一般的によく知られているのが、松葉杖でしょう。健常者でも骨折などのケガをすれば、医療機関やリハビリ施設等を介して、この杖にお世話になるケースも珍しくありません。
松葉杖は上部に脇当が付いており、ここに脇を置きながら握り部分を手で持って、杖をややハの字にして体重を支えます。ただし脇当に体重をかけすぎると脇下の血流が悪くなるので、注意が必要です。

T字杖も一般的にはよく知られており、介護現場でもよく目にします。名称の由来は、握り手の部分がアルファベットのTに似ているためです。
このタイプは一点で体重を支えるため、転倒のリスクが高い傾向があります。したがってもしT字杖の利用者を介助するのであれば、2動作歩行や3動作歩行あるいは階段での昇降介護など、一定以上のスキルと細心の注意が必要です。

そのT字杖と比べて安定性が高いのが、多点杖です。
形状の特徴は、握り手の部分が1つでありながら、接地面の脚が3つもしくは4つに枝分かれしていること。接地面が広いことで安定性を確保しており、例えばリハビリテーション機能を備えた介護老人保健施設等でも、脳血管障害で片側麻痺になった人の歩行訓練などで、この杖の活躍する機会が多いです。